イワギキョウ【岩桔梗】

 山形県鳥海山・7月28日撮影

やさしい青紫色

今年の夏は、仕事が忙しくてきりきり舞いしていたわりには、よく山へ登った。
(お得意様各位殿、すんましぇ〜ん。行ったもん勝ちで〜す。)
7月には信越の火打山・妙高山、しばらくして東北の山に行き、8月には北アルプスの蓮華岳・針ノ木岳に登った。

東北の山は、いつもとはちょっとちがった登り方だった。鳥海山、月山、朝日岳、蔵王を日替わりで登り下りした。どれも離れた山だから、毎日山から下りるとさっそく車で移動し、その途中で食事したり、温泉入ったり、コンビニで食料買ったりして、次の登山口の駐車場やキャンプ場にテント張るという、いうなれば放浪登山だった。
あとになって書いてみれば、なんともお気楽登山に見えるのだが、道はわかんねぇ、店はねぇ、日はどんどん暮れていくわで、もう聞くも涙語るも涙の珍道中でありました。
でも、幸い天候に恵まれ、高山の花も最高の時期でした。写真のほうは、毎度おなじみの下手な鉄砲も数打ちゃ当たるの“乱写千鳥打ち”なので、まあ推して知るべし。

それにしても鳥海山は花の多いすばらしい山だった。なかでも、いままであまりいい株に出会えなかったイワギキョウは、咲き始めでやさしい青紫色がことのほかきれいだった。

月山の頂上は月山神社に占拠され、お祓い付きで1人500円払わないと頂上が踏めない。嗚呼、これが「神の国」のなせる所業である。一瞬躊躇したが、ここまで来て頂上踏まないのもしゃくに障るから、4人でピンピンの新2000円札出してやったら、にわか神主が、「初めてです」なんてビックラこいてた。

それに引き比べ、朝日岳避難小屋の管理人の親父さん、実に愉快でおおらかな酔っぱらい好々爺でした。あんたこそ東北の神様です。
もう薄暗くなりかけた満員に近い山小屋の中で、おひとつどうですかと、同じワンカップで飲み交わし始めたら…、ああ、もう止まらない! 爺さん管理人室から焼酎やら地酒やら次々に持ち出してきて、いつの間にやらヤンヤヤンヤの大酒盛りになっちまった。でも、なんでオレたちのまわりにみんな集まってきて宴会になっちゃうわけ?…。オヤジさん、うまい酒を鱈腹ごちそうさま。いつまでも元気でな。でも、神様ちょっと飲み過ぎだぜ。

蔵王はそもそも予定には入っていなかったが、おまけに登ろうと、夕方になってやっと山麓の坊平キャンプ場に入った。翌朝早く車でエコーラインをさらに走り、まあ楽々登山ってわけ。お釜にも最高峰の熊野岳にも人っ子ひとりいない蔵王を満喫した。しかし、下山してくると、お釜の見える刈田山付近は人だらけの観光地に姿を変えていた。

今年の夏山登山もこれでおしまいだな、と思いきや、なにやら週末からまた行きそうな気配・・・。お仕事、大丈夫なのだろうか…。

(2000.8.31)

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