ヒガンバナ【彼岸花】


山梨県南巨摩郡・9月23日撮影

鮮烈に燃えほとばしる

秋の彼岸のころになると、毎年決まってヒガンバナの花が咲き始める。鮮烈な赤い花が田畑の縁や土手を染め上げる。
ヒガンバナの別名をマンジュシャゲ(曼珠沙華)といい、これは梵語の“赤い花”という意味だそうだ。

花は、そり返った細長い花びら6枚と、長いおしべとめしべが横向きにつき、それらがさらにいくつか輪状について、奇抜な造形を生み出している。

花の時期には葉は1枚も出ていないから、よく見ているとなんとなく違和感を感じることもある。さらに毒草ときているから、まさしく異色の存在である。墓地などで見かければ、どこか怪しい幻惑さえ感じる。
だから、縁起でもない花として嫌われてきたのだろうが、秋空のもと、稔りの田のあぜで見るこの花は、やはり花言葉通り、燃えほとばしる“情熱”の花だと思う。

(2000.9.21)

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