ジャコウソウ【麝香草】
長野県上高地・8月撮影
麝香の香りを訪ねども…
麝香(じゃこう)は、中国・チベット・シベリアなどの山地にすむジャコウジカの雄の生殖腺の分泌物から採る高級香料である。
ジャコウソウは、『牧野植物図鑑』には、茎や葉をゆすると芳香を放つというのでその名がつけられたとある。北海道から九州の山地の樹林下や沢沿いなどによく群生し、8〜10月ごろに長さ4pほどの渋い赤紫色の花を咲かせる。
上高地では、河童橋から明神池へ向かう道すがらにこの花をよく見かける。出会うたびに花の匂いをかいだり、葉をちぎって揉んでみたりするのだが、際立ったよい香りがするような気はしない。もっとも、本物の麝香の香りなど嗅いだこともないのだから、比べようもないのだが…。むしろ初秋のひんやりとした山の空気のほうが清々しい。
(2000.9.22)
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