マツムシソウ【松虫草】

長野県霧ヶ峰(車山)・8月28日撮影

 

高原に秋風をさそう

高原の秋は早い。9月の声を聞くころになると、街の残暑をよそに秋風が渡り、マツムシソウの花が咲く。

細い茎は枝分かれして、先に直径4cmほどの薄紫色の花をつける。草丈は70cmくらいになる。高原が一面に薄紫色に染まることもある。
この花が咲き出したら、おいそれと草むらの中には入れない。夢中になって草むらの中を歩けば、自分の歩いた跡が、何とも切ない。

マツムシソウは、松虫草と書く。松虫がチンチロリンと鳴くころに、この花が咲くことから名付けられたというが、どうもこの由来はあやしいようで、諸説がある。でも、この命名は出来すぎなほどに秋の風情を感じさせてくれる。

(2000.9.9)

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