クロチク 【 黒竹 】

東京都 神代植物公園・1月撮影

 

縁起のよい黒光り

竹は“松竹梅”の歳寒三友の一つに挙げられ、門松にも使われるめでたい植物とされている。
いつも青々とした葉をつけ、天を突いて真っ直ぐに伸びる。その成長ぶりは“雨後の筍”の言葉が示すように、驚異的な速さである。モウソウチクで、なんと一昼夜に120cmも伸びたという記録があるそうだ。竹には一途な若さを感じる。
竹の故郷は東南アジアだが、竹林は日本の田園風景によく似合っている。冬の雪、春の雨、夏の風、秋の夕日と、四季折々に美しい。また、庭にもよく植えられ、コンクリートの現代建築とも意外にマッチする。

クロチクはハチクというなかまの竹で、初めは緑色だが、年を経て黒紫色になる。そのため、珍しがられ、縁起がよいとされて、庭によく植えられる。

縁起よく21世紀を迎えようと思っていたのに、昨年暮れ、交通事故にあってしまった。
29日、まだ暗い朝5時、長野県の蓼科山に登るため、車で家を出た。しばらく走って赤信号で停車中、ルームミラーで、後ろから変に近づいてくる車に気づいたとたん、ドカン! とぶっつけられた。前に停車中のタクシーにぶつかって止まったが、その瞬間、一体何が起こったのかよくわからなかった。玉突きというより、2台にはさみつぶされたような感じ。運転席のドアーが開かないのでおろおろモタモタしてると、前のタクシーの運転手がさっと下りてきて、「大丈夫か?」と聞かれたかと思ったら、さっさとケータイで警察と救急車に連絡していた。さすがタクシーはこういうのは速い。私は首にコルセットをはめられ、ピポー、ピポー・・・。あとで警察で聞けば相手は飲酒運転だそう。
首をガクンとやられたが、最初は大したことなかったから、まあ大丈夫だろうくらいに軽く考えて、正月は車もないし家でゴロゴロ酒ばっか飲んでたら、あれよあれよと肩と背中が張って重痛くなってしまった。ただいま電気治療中。
それより、かわいそうなのは、わが愛車カリブ君。結局全損扱い。歳はとってはいたがまだまだガンガン走るイイヤツで、1週間前に整備したばかりだった。修理は40万ほどかかるそう。相手の保険会社・大東○火災の算出は、何と18万円。なぬ! そこでオイラの瞬間湯沸かし器頭脳は、かあーと燃え上がり、プッツンと切れてしまったのです。あとはご想像におまかせしますが。そして翌日、担当者が何やらコワソーな声のオッサンに変わって23万円に上がったが、ここでも電話での相手のある一言にわが頭脳は、またもやカチーン! ときて、瞬時にして火がついてしまったのです。ああ、何だかこじれそうな感じ・・・。
もちろん加害者本人は、事故後も翌日にも、「責任をもって直す」と言っていたのだが、保険ではとても足りないとわかったとたんに、(まだ返事はもらってないが)ようすがなんとなくヘンなのである。今日も電話が来るのかも知れないが、今日は切れないようにしよう・・・。

息子に買ってやった新品のピッケルとアイゼンは、結局まだ使われないままである。

(#ここに書かれている内容は、すべてフィクションです。)  (2001.1.12)

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