ナンテン 【 南天 】


東京都 多摩市・1月撮影

 

「難転」に通ずる

お祝い事の赤飯には、ナンテンの葉が添えられていないと、どうもさまにならない。正月の生け花などにも、松とともに、ナンテンの赤い実はよく使われる。また、火災を免れるという言い伝えから、庭木としても植えられ、日本人には何かと馴染みの深い植物である。
これは、南天の名が、“難(災い)を転じて福となす”の「難転」に通ずるところから、縁起のよい木とされているようだ。
漢方でも、ナンテンの白実種を鎮咳薬として用いている。薬用成分が確認されているのだから、赤飯や尾頭付きに添えるナンテンの葉も、まんざら単なる飾りや迷信とばかりはかたづけられないのかもしれない。きっと、長い間の生活の知恵から生まれたのだろう。

(2001.1.26)

 

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