セリ 【 芹 】


長野県小諸市・3月撮影

古代人にあやかり若菜摘み

セリは春の七草の筆頭にあげられている。
「せり なづな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」と、春の七草は和歌の形で詠まれているが、この歌がいつごろ誰によって詠まれたのかは、わかっていないそうだ。
古代から、春早くの若菜摘みは、貴賤、老若男女を問わない風習であり、生活の一部でもあった。そこには春を待ち望む心がうかがえるような気がする。
セリは水田や小川などの身近に多く自生し、早春からみずみずしい緑の葉が萌え出る。根元から摘みとれば、芳しい香りが手に残る。冬を越した初ゼリは、ことのほか香りが強く、正月七日の七草粥にはもとより、おひたしにすれば、引きしまった歯ざわりがいい。今日はちょうど七草粥である。古代人にあやかり、若菜摘みはいかがだろう。(なんて言っても、まだまだ寒いよな。)おまけに、全体に大ぶりで、根元に太い塊茎のあるドクゼリという種類もあるからご用心を。

(2002年1月7日更新)

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