霜柱

東京都 東久留米市・1月撮影

 

霜柱の立つ朝

霜は「降りる」といい、霜柱は「立つ」という。いかにも冬の情趣を感じさせてくれる言葉づかいである。それにしても、この言葉づかいには、霜と霜柱のできかたのちがいが的確に表されているように思う。
霜は空気中の水蒸気が冷やされ、地上物に小さな氷の結晶となって付着してできるのだから、まさに「降りる」であろう。
一方、霜柱は、まず地表の土にふくまれている水が凍って、土から分離する。そのあと、下の土の小さなすき間から水分が毛管現象によって吸い上げられ、そこでつぎつぎに凍っていく。だから、土の粒の小さなすき間から、それぞれ1本ずつの細い氷柱が押し出されるように「立つ」わけである。
冬枯れの林の小道を、ザクザクと霜柱を踏みしだきながら歩く朝は、どこか少年の日のようで楽しい。そういえば先日、息子もそんなことを言いながら、あちこち楽しそうに踏み歩いていた。

(2001.1.25)

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