花は何のために咲くか
春の七草のひとつに挙げられているはこべら(繁縷)とは、ハコベのことである。早春から畑や道端などによく見られる雑草で、高さ10〜30cmほどになる。小鳥や鶏の餌になるので、ヒヨコグサの愛称でも親しまれている。 花は東京あたりでは、日当たりのよい場所なら、2月末ごろから咲き始めている。花の直径は5mmほどで小さい。5枚の花びらはそれぞれが深く裂けているので、まるで10枚あるかのように見える。 ハコベという草を知っていても、この小さな白い花をじっと見る人など、ほとんどいないだろう。でも、野のなんの変哲もない小さな花に、ふと見入ってしまうときがある。なぜかそれに惹きつけられ、無性にいとおしく感じるときがある。そんなとき、花がなんのために咲いているのか、はたと気づく。
(2001.2.28更新) |