ミツマタ【三椏、三叉】


東京都 神代植物公園・3月撮影

 

お金になる木

ミツマタは、早春の山里で、葉に先立って枝先にいくつもの黄白色の花を咲かせる。ジンチョウゲ科の落葉低木で、高さは1〜2mになる。どの枝もきれいに三つに分かれるので、その名がついたという。
もともとは中国原産の木だが、和紙の原料として栽培されたものが今では野生化している。この木の樹皮を漉いてつくる和紙は、コウゾに比べてなめらかで折り曲げや水に強いため、今も特に紙幣の原料とするために栽培されている。まさに“お金になる木”である。
岡山県久世町はミツマタ紙の全国有数の産地で、2月ともなると、早朝から原木が蒸し上げられ、寒風の中で皮剥ぎが始まる。岡山の山間の地を黄色いミツマタの花が埋めつくすのも、もう間近だろう。

(2001.2.4更新)

一覧へ

inserted by FC2 system