コブシ 【 辛夷 】 

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長野県穂高町・4月5日撮影

北国の春

コブシの花が咲くと、山や北国にも、おそい春がやっと訪れてきたことを知る。葉の出る前の枝に、白い小鳥たちがいっぱいに群がり、チイチイピイピイとかまびすしいほどにさえずっている。純白の花は、ほのかに甘い香りをふりまいている。うららかな日射しがふりそそぎ、山々はけぶるようにまどろんでいる。そんな、待ちに待った夢のような春が北国にもやってきた。
の直径は10cmほどもあり、花弁は6枚で、花の下に小さな緑色の葉が付いているのが特徴。つぼみや果実が人の握り拳(こぶし)のような形をしていることからその名が付いたという。かつては、この花が咲くと、農家は田の準備を始めたので、タウチザクラの呼び名もある。また、ヤマアララギともいう。最近は公園などにも植えられているので、街でもお目にかかることができるようになった。

(2003.3.27更新)

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