ムラサキケマン 【 紫華鬘 】

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山梨県南巨摩郡・4月撮影

春の野に咲く天人の髪飾り

ムラサキケマンの花は、春先の林の縁や少し湿った草むらなどでよく見られるが、意外に知られていない。春もこのころになると、きれいで目立つ花が次々に咲くからだろう。草丈はふつう20〜30cmほどで、葉も茎も柔らかく、雨でも降れば、どこかしょんぼりとうなだれる。でも、陽が射すとしゃきっと立ち上がり、1.5cmほどの赤紫色の花には捨てがたい可憐さがある。花は下から順に咲き、あっけないほど早く枯れて細長い実になっていく。ちょっとせっかちというか、やはり花の命は短くて…ということか。名の華鬘(けまん)とは、天人の髪飾りや、花をつないで仏前につるす装飾具のこと。

(2003.3.17更新)

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