サンシュユ 【 山茱萸 】

京都府 府立植物園 ・ 3月24日撮影

気品ある黄色の小花

サンシュユの花が咲き始めている。鮮やかな黄色い花が、葉の出る前の枝を飾っている。
一つの花は直径が5ミリほどで小さいが、ちゃんと4弁の姿をしている。そんな小花が、枝先にたくさん集まって咲くので、いかにも春らしく、はなやいで見える。そのためか、ハルコガネバナ(春黄金花)の別名もある。
中国や朝鮮が原産地の花木だから、野山の自然の中では見られないが、庭や公園などにはよく植えられていて、なじみがある。
山茱叟(さんしゅゆ)の茱叟とは、グミの意味で、秋にはグミに似た形の赤い実がなる。その赤色がサンゴのように深い色をしているので、アキサンゴの名で呼ぶ人もいる。季節によって草木の呼び名を変えるとは、なんともしゃれている。
しかし、この木は、やはり早春の花がいいだろう。この花が咲き出すころになると、きまって春の雨が降る。それは、うららかな春の陽気がすぐそこまで来ているあかしでもある。

(2001.3.7更新)

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