シュンラン 【 春蘭 】


山梨県南巨摩郡・3月31日撮影

雑木林の野生ラン

今年の春はずいぶん気が早い。よっぽどよいことでもあるのだろうか。東京のサクラの開花宣言はまだのようだが、もうちらほら咲き始めている。春の花の撮影は、毎年のことだが、季節に追いついていけない。

春先の雑木林を、カサカサと落ち葉を踏みながら歩いていくと、木の根元のようなところに、シュンラン(春蘭)の花を見かけることがある。細長く伸びた葉の元から透き通るような花茎が立ち上がり、ラン独特の形をした薄黄緑色の花が咲いている。
落ち着いた地味な風情は、山野草家に好まれ、日本画などにもよく描かれる。日本の野生ランの中では一般的なもので、ホクロの別名や、ジジババなどといった地方名も多く、それだけ人々に親しまれてきた春の野山の花といえよう。

(2002.3.18更新)

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