ヤブレガサ 【 破傘 】

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東京都 神代植物公園・4月12日撮影

芽生えは破れ傘だが

山の林の下などで、春早くに芽を出す。その芽生えの形が、まさに破れ傘そのもので、絶妙な命名となっている。草の大きさは、写真のころでは10cmくらいだが、白い穂状の花を咲かせる7月ころには1m近くにもなり、けっこう立派な姿に成長する。でも、この草は芽生えのころの形ばかりが売りなのである。

信じられないことが起こった。昨日のことである。あまりにも突然で、突飛な出来事だったので、いったい何がどうしてどうなったのか理解できず、とにかく慌てふためいてしまった。もったいぶらずに書こう。
事務所の水道の蛇口が元からポロリと取れ、水が噴き出してきたのだ。要するに、壁の穴から水が勢いよく横に噴き出してくる状態になってしまったのである。そんなことって起こるのか? と、お思いでしょうが、ホントに水道の水を流して使っていたら、唐突においでなすったのである。とにかく慌てたぜ。水浸しだぜ。
噴き出してくる水を体で防いで流しに落とすのが精一杯。穴を塞ごうとしたがとても無理。辺り一面に水がほとばしるばかり。ずぶ濡れになりながら、最初に思い浮かんだまともな対応は、とにかく元栓を止めることだ、それしかない。噴き出す水なんかそのまんまにして、とにかく廊下に飛び出して階段付近の水道栓をかたっぱしから閉めた。そして部屋にもどったら、水は止まっていた。ほっとしたが、水浸しの床を見て、呆然とした。3階なのに床上浸水である。
近くに置いてあるコピー機がたっぷり水を浴びている。本棚にもだいぶ水が飛んだ。いつもならそのへんに置いてあるカメラが、その日に限ってしまってあったのがせめてもの慰めだ。
早くこの水を何とかしないと、階下に浸み出していったら大変だ。なんせ築30年以上のおんぼろビルなので…。いや、それよりまずは、1階に住む90歳を超えたひとり暮らしの大家さんの所に言いに行かなければ…、何度ピンポ〜ン、と鳴ならしても出てこない。一瞬、まさかと思ったりしたが、まあ留守なのだろうと、とにかく水の処理をすることにした。
ありったけのタオルで吸い取っては絞るしかない。幸い全面に絨毯を敷いてあるので、かなり保水してくれたようで、あとは新聞紙で吸い取ることにした。とりあえず新聞紙を敷いて歩けるようになるのに、昼までかかった。嗚呼。
蛇口の元のほうが腐食して、漏水していたようだ。ああ恐ろしい、たまったモンじゃねえ。事態が何とか収拾しはじめたころ、怒りがこみ上げてきた。
結局、夕方に水道屋が来て直してくれたのだが、かなり手こずっていた。
1日たった今日も、まだ新聞紙を何度も取り替えた。絨毯が完全に乾くまでには、まだ、だいぶかかりそうだ。いくら古いビルで、安い家賃だからと言っても、いい加減に勘弁してもらいたいものだ。それこそ破れ傘の心境だぜ。でも、信じられないようなことって、起こるものなんだな。

(2003.3.12更新)

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