アンズ 【 杏子 】

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長野県北安曇郡・4月13日撮影

種子は生薬の「杏仁」

信州では、梅も桜も桃もほとんど同時に花が咲くという。北国の待ちに待った春は、そう言われるほどにいっせいに訪れるということだろうと思っていた。まあ、いくらかは誇張もあるのだろうと思っていた。ところが、少し山にはいった土地などでは、本当にウメとサクラがいっしょに咲いていたりするから驚く。おまけにこのアンズの花まで咲いていたりするから、ああ、これが信州の春なんだと、まったくもってうっとりとしてしまう。
アンズは、中国原産の落葉小高木で、日本にはウメとともに奈良時代に渡来したといわれ、古くはカラモモと呼ばれ、歌にも詠まれている。種子からとった「杏仁」(キョウニン)は薬用にされ、実は食用になる。でも、実は黄色く色づいたくらいでは、とても酸っぱくて、生食したわたしは飛び上がってしまった。(酸っぱいの苦手なんです) ところが、橙色に熟したころになると、うそのように甘く、よい香りと味わいがあってとてもおいしい。干しアンズや砂糖漬けにするなんてもったいないような気になる。
花はウメよりも少し大きめで、淡紅色の五弁花はどことなく丸みがあり、ほんのり紅をさしたようで可愛らしい。この花の花言葉は、「乙女のはにかみ」。

(2003.4.16更新)

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