エゾエンゴサク 【 蝦夷延胡索 】
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山の木陰に冴えた空色 春の野山の花のなかで、これほどまでに美しい空色の花をほかに知らない。青色が深すぎず、浅すぎず、それでいて色調は冴えている。 中部地方以北に生育し、山の木陰や林の縁などでこの花に出会うと、花の色に思わず息をのむ。花の大きさは2cmほどだが、花付きはよく、横に広がった若草色のやわらかそうな葉が、花をいっそう引き立てている。本州の山地では、花は6月ころまで見られる。 若いうちに葉や茎をおひたしにして食べるというが、それはいささか気が引ける。エンゴサクの名は、このなかまの球根(塊茎)が漢方薬の延胡索となるところからきているという。 (2001.4.14更新)
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