ハハコグサ 【 母子草 】 

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東京都東久留米市・5月撮影

懐かしき名の春の草

春の七草のひとつに挙げられている御行(おぎょう)とは、ハハコグサ(母子草)のことである。早春から道端や畑などで、黄色い麹のような粒々の花を咲かせる。それはこの花には花びらがないからで、キク科の花にはよくあること。
明るく丈夫で楽しそうな黄色の花には、母子草の名はいかにも似つかわしく、懐かしい思いがする。だが、名の由来は、頭花や
葉がやがて白くほおけ立つので、その様子から、ホオケグサ→ホオコグサ→ハハコグサ、と訛って呼ばれるようになったともいう。
似た花に、ちゃんとチチコグサ(父子草)というのがある。でも、こちらは花が薄茶色で葉も細く、ひょろひょろと育ち、残念ながらどことなくくたびれた姿をしている。なんとも身につまされる。
今日、昼ごろ、息子Sが事務所に来た。家の鍵をなくしてしまって、家には入れないので貸してくれということだった。大学からは歩いてここまで来れちゃうのだが、近すぎるのもちょっと困ったもんだ。でも、いっしょに昼飯を食った。ただそれだけだったが、うれしかった。

  老いて尚なつかしき名の母子草 (高浜虚子)

(2003.4.24更新)

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