イチリンソウ【一輪草】  4月

 山梨県南巨摩郡・4月30日撮影

 一輪だけの春

イチリンソウは、1本の茎の先に一輪だけ花を咲かせるのでその名がある。
花を2個咲かせる種類をニリンソウといい、3個咲かせるものはサンリンソウと名付けられている。なんともすっきりした命名で、それでいてどこか洒落ている。

落葉広葉樹林の林床や林の縁、沢沿いの草原などに生え、4月から5月ころに直径4cmほどの白い花を咲かせる。
草丈が20cmほどだから、草丈のわりにはずいぶん大きな花に感じられる。
白い花びらのように見えるものは、萼が変化したもので、この花には花弁がない。それなのに、いかにも花らしく、春の木漏れ日を受けて花開く姿は、優しげで気品がある。
イチリンソウの花を見かけるころになると、山麓もいよいよ春たけなわである。

花言葉は「久遠の美」。でも、初夏にははやばやと葉も茎も枯れ、姿を消してしまう。この花は、1年に一輪、一花しか咲かないことになる。

*

 

表紙へ ←一覧へ

inserted by FC2 system