ミヤマキケマン 【 深山黄華鬘 】

04MIYAMAKIKEMANN-M.JPG

奈良県大台ヶ原山・5月3日撮影

近畿より東で生育

近畿以東の山や川原などにふつうに生え、3〜5月ころ花茎にたくさんの黄色い花をつける。なぜかミヤマの名が付いているのだが、いわゆる高山や深山の植物ではない。
1つの花の長さは2cmほどで、草の高さはふつう40cmくらい。関東以西の海岸に多いキケマンによく似ているが、やや小ぶりな姿をしている。花のさかりにこの花に出会うと、なんともきれいで惚れ惚れする。
ミヤマキケマンは、中部以西から九州に分布するフウロケマンという基本種の変種とされている。植物の分類では、「種」の下にさらに「亜種」「変種」「品種」などを設けているが、栽培植物ならもちろん品種を云々するのは意味があるが、野生種でこれをやり出すと、もう重箱の隅をつつくようなことになる。花や自然を楽しむことから逆に遠ざかっていく自分にふと気づき、すごくイヤーな気持ちに陥ることがある。だから、そういうことには首も、口もつっこまないに限る。昔、山を歩きながら、「山と花の名前では言い争わない」といった人がいたが、実になるほどと思った。以後、私もそのように心がけている。

(2003.4.9更新)

表紙へ    一覧へ

inserted by FC2 system