オドリコソウ 【 踊子草 】


山梨県南巨摩郡 ・4月20日撮影

踊り子の「隠れた恋」

踊り子草とは、なんともいい名前である。まず名が覚えやすい。茎を取り巻いて咲く花の姿は、輪になって踊る踊り子のように見え、いかにもその名にふさわしい。淡いピンク色の花には、春らしい華やいだ雰囲気も感じられる。ここでの踊り子とは、ドガだったか、西洋絵画に出てくるバレリーナだろうか。

でも、踊り子といったとき、今ではどんな女性をイメージするのだろう。踊り子といえば、踊りを職業とする女性なのだから、舞子や芸妓であり、舞踏家、バレリーナ、ダンサーのことだろう。まさか伊豆の踊り子はもはやいないだろうから、旅芸人一座の踊り子は思い浮かべないだろう。
そう考えてみると、踊り子という職業も言葉も、最近ではごく限られた世界のものになってしまったように思う。
私の場合、どうしても、「それでは踊り子さん、はりきってまいりましょう〜、オープン・ザ・ミュージック!」を思い出してしまう。踊り子といえば、やはりそれしかない。ストリッパーである。詳細は書けないが…、やはりそれしかない。
ところで、映画監督の河瀬直美が、何やら衝撃的なストリッパーの映画を撮ったそうだが、気になる。この人は、映画だけでなく、生い立ちや行く末がすごく気になる人だ。もう、立ち直ったのだろうか。できれば、避けて通りたい人だ。

さて、本題のオドリコソウは、北海道から九州まで分布し、山野の道端ややぶのような半日陰によく群生している。草の高さは30〜50cmほどで、花は4〜6月ごろに咲く。
西日本ではきれいなピンク色の花がよく見られ、東日本には白い花が多いような気がする。花の底には甘い蜜があり、子供たちがその蜜を吸って遊んだので、地域によっては“すいばな”とも呼ぶそうだ。この花の花言葉は、「隠れた恋」。

(2001.4.28更新)

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