東京都東久留米市・4月撮影
春を告げる可憐な乙女
春の野山に咲くスミレの仲間のなかで、いちばんよく見られるのがこのタチツボスミレだろう。人家に近い野原や、まだ木の葉の繁る前の雑木林の下などで、野の春を告げる。東京近郊の多摩の丘や武蔵野でも、四月の声を聞くころになると、このスミレだけはまだよく見られる。薄紫色の可憐な花は、かすかな春の風にもそよとゆれ、なかなかシャッターを切らせてくれない。じっと息をこらしてファインダーをのぞいていると、それは乙女のはじらいのようにも見える。
(2002.4.3更新)
←表紙へ ←一覧へ