阿片の花
ケシの栽培は、あへん法で一般には禁止されている。最近は、地方や山の中に行ってもまったく見かけることはなくなったが、わたしが子供のころ(昭和30年代始め?)には、ひょんな所に怪しげにぽつんと咲いていたりして、見つけると大人たちが慌てて切り捨てていたように覚えている。自然に生えてきたものであろうとなんであろうと、見つかれば容赦なくこっぴどく締め上げられたそうだ。
ケシからは言わずと知れた麻薬のアヘン(阿片)が採れる。5〜6月ころ、花が散って約1週間後にさく果に傷を付けると乳液が出てくるので、それを乾燥させるとアヘンになるそうだ。アヘンの主成分が麻酔に使うモルヒネである。また、乾燥させたさく果は、生薬名をオウゾクコウ(通称けしがら)といい、昔は煎じて咳止めなどに用いられていたという。アヘンの話はこのくらいにしよう。ご専門のかたに見られているから。
先週日曜日の午後、ふらっと薬用植物園に行ったら、白や赤、紫のケシの花が満開に咲いていた。赤色の八重咲きの花は、さすがに怪しげだった。ほかにシャクヤクなど、いろいろな花が所狭しと咲いていたので、夢中になって写真を撮っていたら、なんだか頭がボーとしてきてフラフラしてきたのだが、近くにいるだけでも効くんだろうか。(効くわけないだろ)、でも有毒植物のコーナーで長い時間写真を撮っていると、臭いのせいか気持ちが悪くなったことは何度となくある。
←表紙・Topへ(最新) 一覧へ(2003.5.21更新)