タマアジサイ 【 玉紫陽花 】


山梨県南巨摩郡 ・6月撮影

静かな山の薄紫色

初夏の山では、野生のアジサイの花を見るのが楽しみのひとつになる。いろいろな種類があるが、谷川ぞいの湿った日陰のような場所には、このタマアジサイの花がよく見られる。高さが1.5mくらいになる落葉低木で、つぼみはそれこそ真ん丸の玉のような形をしている。
まわりをとり巻いている白い花びらのような花はガクの集まりで、おしべもめしべも退化しているので飾り花とよばれる。だから園芸種のアジサイの花は飾り花だけでできていることになる。
タマアジサイの本当の花は内側の淡い紫色の部分で、泡粒のように小さな花がたくさん咲いていく。白い飾り花とのとりあわせには、静かな山の落ち着きが感じられる。ひとつひとつの小さな花は散るのがはやく、葉の上には薄紫色の粉のような散り花がふりまかれていることが多い。

(2002.6.16更新)

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