フシグロセンノウ 【 節黒仙翁 】


山梨県櫛形山 ・ 8月16日撮影

朱色が草むらで異彩を放つ

この花を初めて見つけたとき、山の草むらに派手な色のついた紙屑か何か、人工物でも棄てられているのかと思った。近づいてみて、はっと驚いた。花である。
ナデシコを大きくしたような朱色の花は、山の緑の中では異彩を放っていた。自然界に朱色の花はとても少ない。初めての花に出会えた喜びもさることながら、あでやかな朱赤色に魅せられた。
花は7月から9月ごろまで、山の林の中や縁などのような日陰の涼しいところに咲いている。そのためか、花の朱赤色は決して暑苦しさを感じさせない。盛夏に、この花を涼しげに活けるのは、かなり難しいだろう。
花の直径は4cmほどもあるのに、茎は細く、折れやすい。だから、まわりの草に寄りかかるように咲いている。
その名は茎の節が黒くなり、昔、栽培種のセンノウが京都嵯峨の仙翁寺に多かったことによるという。 

(2001.7.19更新)

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