7月にはいると、山や高原の湿原では、ワタスゲの白い穂があたり一面になびく。白い綿毛は果実の穂で、耳かきの先に付いている球状の綿玉のような形をしている。穂が湿原を渡る風に揺れ、波打つ姿は美しい。上越の地へは、若い頃には毎月のように出張していたが、妙高山には去年やっとはじめて登った。下山路に選んだ黒沢池の湿原は、ワタスゲの穂があたり一面でなびいていた。この穂が飛ぶころ、湿原はどんなようすになるのだろう。
(2001.7.4更新)