ヤブカンゾウ

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 長野県木崎湖畔・7月31日撮影

夏の日の“忘れ草”

夏の始まりには、色鮮やかな花が似つかわしい。ヤブカンゾウの橙色の花は、緑が濃くなった野ではひときわ目立ち、いやがうえにも暑さをかりたてる。
田や小川の縁、土手や草むら、線路脇などによく生え、草たけは1mくらいになる。7〜8月に八重咲きの1日だけの花を1つずつ咲かせる。昔中国から渡来したものが野生化したといわれ、花が一重咲きのものはノカンゾウという。

カンゾウは中国では“忘憂草”の名があり、憂いを忘れさせてくれる花とされた。そのせいか、今でも“忘れ草”の別名がある。
ワスレナグサとは、まるっきり反対のところがおもしろい。さてさて、このヤブカンゾウ、どんな憂いを忘れさせてくれるというのだろう。

春の若芽は山菜になり、この酢味噌和えは私の好物。つぼみや根は薬用にされるが、漢方薬の甘草(カンゾウ)は、マメ科のまったく別の植物。ちょっと、ややっこしい。

(2000.7.6)

 

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