チングルマの穂 【 稚児車 】


長野県北アルプス 水晶岳 ・8月10日撮影

 

白髪のごとく風になびく

高山の夏は短い。8月も末になると、山では早くも秋の気配が感じられ、花たちは先を競って実をつけ始める。
チングルマは、夏のお花畑を代表する花で、高さは10cmほどだが、直径2〜3cmの5弁の白い花をたくさん咲かせる。雪渓のまわりや岩場の草つきなどで、それは見事な群落をつくる。
しかし、この花は夏の終わりが近づくと、いちはやく花びらを散らし、白髪のような長い毛の穂に姿を変える。ちょっとせっかちのような気もしないではないが、その変身はすばやく、いささかの未練もためらいも感じさせない。長い毛はめしべがのびたもので、その元には、たくさんの小さい実ができ始めている。

(2001.8.31更新)

一覧へ

inserted by FC2 system