ウサギギク【兎菊】
長野県北アルプス針ノ木岳・8月20日撮影
高山に鮮やかな黄菊
夏の高山では、登山道の脇の砂礫地や草地などに、ウサギギクの花がよく咲いている。鮮やかな黄色い花は、ヒマワリを小形にしたような感じで、登山者に親しまれている。草の高さは20〜30cmで、花の直径は4〜5cmほど。高山植物の花としては大きいほうにはいる。ふつう、2、3本から数本が集まって生えているが、残雪のまわりの草地などではほかの花と混ざって群落をつくる。
先日登った北アルプスの針ノ木岳頂上近くでも、それは見事な群落を見た。お花畑の花のなかでは、ウサギギクは明るく朗らかにはしゃぐ乙女たちを思わせる。それにつけても、黄色い花はどうしてこんなにも元気を分けてくれるのだろう。
名は、へら形で2枚が向き合ってつく葉をウサギの耳に見立てて名付けられたという。
(2000.8.30)
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