キキョウ 【 桔梗 】
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きりりとした色気 9月は、秋の草花が競うように花を咲かせる。秋草はどことなく先を急いでいるように見えてならない。ゆく季節を惜しんでいる暇などないのかも知れない。山の草原は、もう秋の風情一色に染まっている。 ところで、キキョウの花の咲き方にはおもしろいしくみがある。雄しべが成長して花粉が出るころ、同じ花の雌しべはまだ未熱で受粉できない。そして、雄しべが枯れ落ちてから、めしべは成熟して先が五つに割れ、受粉可能になる。これは一つの花の中で自家受粉しないために、自然が長い進化の歴史の中でつくり上げた巧みなしくみなのだろう。 きりきりしゃんとして咲く桔梗かな (一茶) (2001.9.28更新) |
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