クズ 【 葛 】


東京都東村山市 ・9月10日撮影

七草もアメリカでは嫌われ者

葛の花は秋の七草の一つに数えられている。旺盛な繁殖力で蔓を伸ばし、林の縁や土手などをみるみる覆いつくしてしまう。その姿は清々しい秋の風情とはどうもかけはなれている。しかし、9月にもなると、葉のもとから、長さが15cmほどにもなる穂状の花を咲かせる。その深くおちついた赤紫色には、はやい秋の趣が感じられる。
もちろんこのクズの太い根茎からとれるデンプンが本物の葛粉である。そういえば子供のころ、風邪で熱など出すと、よく葛湯を飲まされた。どろどろしているだけでなんの味もしないので、砂糖をたっぷり入れてもらった。発汗、解熱効果のある葛根湯(かっこんとう)もこのクズの根の煎じ薬である。
アメリカでは、土砂流出防止に植えられたクズが広まり、日本からのやっかいな帰化植物として嫌われているそうだ。

(2001.9.16更新)

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