ミツバアケビ【三葉通草・山女】

 長野県八坂村・10月撮影

 

山里の秋の味覚

秋もたけなわになると、山も実りの季節を迎える。ヤマブドウ、サルナシ、マタタビ、ヤマグリ、シイの実、そして数多くのキノコ…。そんな秋の山の幸のなかで、懐かしいものといえば、やはりアケビだろう。最近は栽培もされ、八百屋やデパートの食料品売場に並んでいることもある。

葉が3枚で山に多く生え、実が赤紫色になるものをミツバアケビという。パックリとさけた実の中には、甘い綿が熟している。この綿を口にほおばり、中の種だけをペッペッとはき出す。まだ菓子などあまり手に入らなかったころ、アケビは山里の子供たちの大好きなおやつだったという。

  あけびさげて下りくる人にまたあひぬ (高浜虚子)

(2000.10.13)

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