トネアザミ 【 利根薊 】
山梨県南巨摩郡 ・11月1日撮影
刺に憂いあり
きれいな花には刺がある。アザミには葉にも鋭い刺がある。触れるとチクリと痛い。 アザミの花の澄んだ赤紫色には、どこか怪しい美しさが秘められていないだろうか。それでいて、秋の野や山で出会うと、哀愁にも似た可愛らしさも感じられるから、ふしぎだ。この花のイメージは、人や咲いている場所によってずいぶん違うようだ。 好き嫌いが両極端に分かれる花なのかも知れない。やはり、刺が邪魔しているのだろう。花言葉は「触れないで」。
アザミの種類は多く、わたしのような素人には、種名がよくわからないことが多い。トネアザミは関東地方から中部地方南部の山や野原でいちばんよく見られるアザミで、タイアザミともいわれる。草丈は1〜2mほどにもなり、秋遅くまで花が咲いているので、よく目立つ。 山の土産物屋などで売っているヤマゴボウの漬物は、これらのアザミの根である。
(2001.10.20更新)
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