ツタウルシ【蔦漆】

 福島県尾瀬ヶ原・9月29日撮影

 

幹を燃える紅葉で飾る

山で見かけるツタの紅葉は、このツタウルシのことが多い。他の木の幹や岩にはい上がり、葉は多くの落葉樹に先がけて鮮やかな真紅に染まる。まだ緑の残る林の中で、そこだけが赤く燃えさかっているかのように見える。

葉が紅葉するのは、気温の低下によって葉緑素が分解されたあと、葉の中で移動のさまたげられた糖分からアントシアンという赤い色素が作られるからだという。
赤や黄は、緑の葉にとって、生命の一年の営みを錦繍へと織りなす横糸の色なのだろう。

鮮やかさに魅せられ、1枚思い出にと手にとれば、ウルシの名が付いているだけあって、かぶれる人もいるからご用心。

(2000.10.12)

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