ノゲンショウコ【現の証拠】


 山梨県南巨摩郡・11月3日撮影

 

種子を飛ばして“みこし草”

ゲンノショウコは、健胃・整腸の薬草としてよく知られている。その名も、すぐに効きめが現れることから、「現の証拠」の意味を込めて呼ばれたりしている。
主成分のタンニンは、漢方でも下痢止めの効能があるとされている。夏に採った葉と茎を干し、煎じたりお茶代わりにして飲む。

盛夏に咲く白や紅色の五弁花は可憐で美しいが、秋になって種子をピンとはじき飛ばしたあとの実の形は、ユニークでおもしろい。
細長い1cmほどの実の果皮が、5枚に裂け、下からくるくるとそり返った形になる。小さな神輿の屋根のようで、その形から、“みこし草”の名もある。小さな世界の造化の妙である。

(2000.11.2)

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