ヒヨドリジョウゴ 【鵯上戸】 


東京都東大和市・11月撮影

晩秋に赤く熟す

ヒヨドリジョウゴは、野原や丘陵などに生えるつる草で、木や他の草にからみつきながら伸びる。茎には軟毛がびっしりと付いていて、下のほうの葉はアサガオのような形に切れ込んでいる。
秋が深まるころになると、丸い実が透きとおるような赤色に熟す。1つの実の直径は8mmほどだが、草木の葉が枯れ落ちた晩秋の野山ではよく目立つ。

野鳥のヒヨドリがこの実を好んで食べるので、鵯上戸の名がついたという。上戸(じょうご)とは、もちろん下戸(げこ)の反対のことで、酒をたくさん飲める人のこと。でも、この実は有毒で、ヒヨドリもこの実が好きというわけではなさそうな気がする。赤い実はいつまでも手つかずに残されているから。
そして、寒さも厳しくなっていよいよ野山にえさがなくなったころに、やっとヒヨドリあたりがついばむようになるのだろう。あのけたたましい鳴き声をあげながら、大げさに羽をばたつかせて飛ぶヒヨドリは、もしかしたらこの実を食べて、酔っぱらっているというか、中毒でもおこしているのかも知れない。

(2000.11.29)

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