カラマツ 【 落葉松 】
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さびしかりけり 晩秋の午後、やわらかい陽射しが、山肌のカラマツ林にふりそそぐ。褐色に染まった円錐形の樹形が浮き上がる。後ろの常緑の杉林とは対照的だ。 秋も終わりとなると山は静かだ。人も少ない。空気がひんやりと澄みわたる。遠くのカラマツの細く尖った葉の1本1本が、まるで細密画のようにはっきりと見える。自然はいつも細部を省略しない。 カラマツの林の中を行くと、一陣の風に小さな葉が散ってくる。チリチリとキラキラと黄金の雪のように果てしなく舞い降りてくる。そんな姿を見ていると、やはり“からまつはさびしかりけり…”である。 カラマツは、マツのなかまの中では、めずらしく黄葉し、落葉する。“しかし、厳しい冬を休むから、また新緑の若葉がことのほか美しいのだろう。 (2001.11.30更新) |
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