マユミ【檀】

 
 東京都神代植物公園・11月17日撮影

 

秋をにぎわす可愛い名前

秋の木の実には美しいものが多いが、このマユミの実は、色だけでなく形にもおもしろみがある。
10〜11月に、ピンク色に熟した実は4つに裂け、中から真っ赤な種子が顔をのぞかせる。ピンク色の傘をさしたような赤い種子が、前年に伸びた枝の根もとからいくつも垂れ下がる。
木はふつう3〜5mくらいの低木だが、秋の野山を十分にぎわしてくれる。というのは、ニシキギ科だけあって、葉もきれいな黄色から赤色に染まるからである。葉と実が同じ時期にそろって美しく色づく木は意外に少ない。
名前は、昔この木から弓が作られたことから付いたそうで、「真弓」ともあてる。でも、秋にこの木の赤い実を見ると、なぜか幼い女の子の名前“マユミちゃん”を思い起こしてしまう。別に、初恋の人の名がそうだったというわけでもないのですが。

 (2000.11.17)

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