ヤクシソウ【薬師草】

 長野県北安曇郡・10月28日撮影

晩秋の日だまりで

日だまりの黄色い花には、もう晩秋だというのに、セセリチョウやミツバチがせっせと訪れる。小春日和の陽射しが背中をゆっくりとぬくめてくれる。そのぬくもりをつい楽しんでしまい、なかなかシャッターが切れない。

ヤクシソウは、晩秋から初冬に日当たりのよい山道などでよく見られる。草丈は70cmほどになり、花の直径は1.5cmくらい。タンポポと同じなかまで、葉や茎を折ると、白い乳液が出る。山で秋遅くまで咲いている花のひとつといえる。

ヤクシとは、薬師如来のことだろうが、薬師如来は瑠璃色の光を放つとされ、花の黄色とはくいちがう。では、薬師如来は御手に薬壷を持ち、病患・災厄を除く仏様だから、この草が薬草として使われたころでもあったのだろうか。

(2000.11.1)

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