ブナの林【 山毛欅 】


長野県北安曇郡白馬村 岩岳・12月撮影

伸びやかな休息の影

冬にはめずらしく晴れた山の林。直立したブナの幹が、雪面に長い影を伸ばしている。そろそろ冷たい風が吹き出しそうな午後である。雪は根元を深く覆い、葉を落とした木々は静かに冬の休息をしている。
ブナは、本州中部では標高1000m付近に最も多い落葉高木で、高さが30mくらいになる。樹皮は滑らかで灰白色をしているが、よく地衣類がついて斑紋ができる。5月ころの新緑、秋の黄葉はことのほか美しく、豊かな森の自然をつくり出す。温帯では、人間が手を入れなければ、山の林は長い年月のうちにはブナ林に移り変わるところが多いはずだというが、実際にはブナ林はひたすら減り続けている。

(2001年12月18日更新)

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