オニグルミの冬芽 【鬼胡桃】


長野県小諸市・12月撮影

木の精の顔

冬になると、木の精が顔を出す。葉の落ちた木の枝先から、小さな可愛らしい顔をのぞかせ、あたりのようすをうかがっている。1cmにも満たないほどの小さな顔だが、よく見ると動物や人の顔にそっくりで、なんだか不思議な気分にさせられる。やはり木の精が顔をのぞかせているのだなと思えてくる。

写真のオニグルミの木の精は、羊のような顔をしている。冬芽の下には何頭もの羊が顔をのぞかせ、こちらをじっと見ている。ときにはにこやかに、またときにはきょとんとして…。

この木の精の顔は、落葉した葉の柄がついていた跡で、葉痕という。目や□や鼻のように見える部分は、水や養分が通っていた管(維管束)の断面の跡である。
だから木の種類によって葉痕の形がみなちがい、それぞれの木の精の顔を形づくっている。
カラスザンショウは猿の顔、ニセアカシアは犬、ネムノキはET、クズなどは真ん丸の人の顔にそっくりで、それは冬の森歩きを楽しいものにしてくれる。

(2000.12.19)

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