ツルウメモドキ 【蔓梅擬】


山梨県南巨摩郡・11月撮影

初冬の野に映える

紅葉が散ると、野山はたちどころに姿が変わる。雪の季節までのしばらくの間はどことなく殺風景に見える。しかし、この時期に黄色や赤色になる木の実だけは、小鳥たちを誘うためか、ことのほか映える。
ツルウメモドキは、黄色の実が三つに裂け、中から鮮やかな黄赤色の種子が顔を出す。わずか7〜8mmの実だが、初冬の日を浴びて、てかてか光っている。この木は、つる性の落葉低木で、よく林のふちなどでほかの木にからみついている。緑の葉が茂っているころにはほとんど気がつかないが、赤い実の時期になると、こんなにもほかの木を覆いつくしていたのかと驚かされる。
生け花やフラワーデザイン、リースなどの花材としてよく使われ、こちらのほうが馴染みが深いのかもしれない。

(2000.12.2)

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