ショカツサイ 【 諸葛菜 】 

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東京都東村山市 4月・撮影

車窓に紫色の洪水

線路沿いの土手などに、この赤紫色の花が一面に咲きだすと、通勤電車の窓の外には、ひっきりなしに紫色が流れる。その年、はじめてこの紫色の流れを見たときには、はて何だろうとしばし驚くが、それがこのショカツサイの花だと知れば、うつらうつらした春の眼は、形のない色だけの流れを、決して自分には襲いかからない色の洪水のように次々に見送りながら楽しむことになる。
花のつくりは、アブラナ科の十字形花の特徴をきれいに備えている。中国原産の帰化植物で、日本には江戸時代に渡ってきたようだが、特に戦後広まったという。東京近辺では、至る所でもういいよというくらいよく見られるが、ネットで日本海側のある地域ではあまり見かけないという書き込みを読んで、ちょっと意外だった。名前は、オオアラセイトウ、ハナダイコンなどともいう。

今年の3月は、大変うれしいことがあった。待ちに待って半分さじを投げたように待ち続けていたことが、やっと成就した。ただひたすら待ってあげるというのも、少しは意味があるのかもしれない。よく考えてみれば、待つという行為は不思議な行為だ。どこか祈るという行為に近いような気もする。なにはともあれ、おめでとう。はやくお小遣いちょうだいね。

(2004.3.31更新)

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