モモ【 桃 】



長野県大町市 4月18日・撮影

桃の節句

昔、母が「きょうは旧暦の何日だい?」と言っていることがよくあった。子どもにはなんのことなのかさっぱりわからなかったが、最近その気持ちが少しわかるようになってきた。年中行事の日付はいまだというか、当然のことながら旧暦なのだから、実際の今の季節感とは、微妙にというか、明らかにずれている。3月3日はひな祭りで、桃の節句だが、桃の花はとてもじゃないけどまだ咲いていない。それもそのはず、旧暦の3月3日は、今の新暦では、約1ヶ月後の4月はじめなのだからである。母親自身も旧暦で育った人間ではなかったはずなのに、やはりまわりの年寄りの影響なのか、季節の変化だけはどこか旧暦でとらえていたのかも知れない。
そういえば昔の日めくりには小さくかっこ付きで旧暦の日付が入っていたような気もする。昔のことはやたら克明に思い出すくせに、今過ぎ去った直前のことが思い出せないのだから、困ったものだ。明らかに始まっている、ヤバイのだ。
ちなみに、花屋の店先に出回るモモの花は、ハナモモの枝を切って温室の中で促成栽培して花を咲かせたものだという。写真は実のなるモモの花。
東京は、今夜からまた雪が降るそうだが、温かい春が待ち遠しい。
(2005.3.3更新)

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