ツバキ 【 椿 】 




東京都調布市 神代植物公園 3月13日・撮影

別名ヤブツバキ
思い出の中から,椿の花がぬっと顔を出すことがある。生家の庭の池の向こうに,ツバキの木が1本あった。薄暗い床の間にツバキの花が生けてあることがあった。花を生ける姿を,僕はよくうしろから見ていた。いつも初めから一輪だけ落としてあった。こうするのよ,と教えられたことも,つい昨日のことのように憶えている。というか,ずっと忘れかけていたのに,最近,奇妙に生々しく蘇ってくる。ヤバイ。
「ツバキ」の名は,総称だとばかり思っていたが,標準和名であり,ヤブツバキとは別名なのだと最近教えてもらった。
柿の標準和名も「カキ」だとばかり思っていたが,カキノキが正しいそうだ。カラスノエンドウは,発音するときどこで切りますか? 「烏ノ 豌豆」だと思っていたが,「烏 野豌豆」なのだと,最近教えてもらった。
ツバキは,鳥媒花。

(2006.3.14更新)




ツバキ 【 加茂本阿弥 】


東京都新宿区高田馬場 3月8日・撮影

茶花に
ツバキの園芸品種。花は,純白一重の椀咲きで大きく,直径10cm近くにもなる。蕾がまん丸なのが特徴。茶花によく生けられる。関西ツバキ系。
事務所の目と鼻の先の家の塀越しに咲いている。ここに移ってきて,もう15年になるのに,去年はじめて気が付き(まったくもう…),今年はじめて写真に撮った。
立派な花だが,実際に木に咲いている姿は,次から次へと咲き,花付きがよすぎるので,あまり趣があるとはいいがたい。白い花はいたみが早く,縁がすぐ黄色になりやすい。
(2006.3.15更新)




ツバキ 【 卜伴 】


神奈川県城山町 4月上旬・撮影

唐子咲き
ヤブツバキの雄しべの葯が弁化した品種で,江戸時代に流行った唐子咲きという。ふくよかで,微笑ましい感じがする。関東西ツバキ系で,別名を月光(がっこう)という。
(2006.3.27更新)

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