ヤマブキ 【 山吹 】



東京都東大和市 4月18日・撮影

道灌の有名な故事だが

室町時代の武将で、江戸城を築いた太田道灌には、ヤマブキの花にまつわる有名な故事がある。ある日鷹狩りに出かけた道灌は、にわか雨に遭い、小さな農家で蓑を借してくれと頼んだ。ところが、出てきた美しい娘は、黙って一枝のヤマブキの花をさし出しただけだった。立腹した道灌だったが、城に帰ってからその意味を知った。兼明親王の古歌、「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」によって、蓑一つさえないことを示したのだと。道灌は豪胆な武将だったが、そのとき己の無学を恥じた。以来、熱心に詩歌を学び、後に有名な歌人ともなり、文武両道に優れた武将となったという言い伝えである。だが、八重咲きのヤマブキには実はならないが、野山に自生している一重5弁のヤマブキには、小さいがちゃんと実も種子もできる。
シロヤマブキ
(2006.04.28更新)

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