アマドコロ 【 甘野老 】


山梨県南巨摩郡 ・5月17日撮影
 

筒状の小さな春のユリ

アマドコロは、丘陵地や山地の草原に生え、4月から5月ころに可愛らしい白い筒状の花を咲かせる。草の高さは30〜60cmほどになり、葉の付け根から1〜2個ずつ花をつり下げる。花の長さは2cmほどで、先のほうが緑色に染まり、6つに分かれて遠慮がちに開く。茎は上部のほうには稜があり、横断面が六角形のようになっている。よく似たナルコユリとはこの点で見分けるというのだが、実際にはなかなか難しい。
地下には横にのびる根茎があり、この地下茎がヤマノイモ(山芋をトコロという)のように甘くて食べられるというので甘野老(あまどころ)の名が付いたといわれているが、食べた人に聞いたところ、それほど甘くなかったそうだ。

ところで、話はがらりと変わるが、インターネットオークションで落札したカメラが今日届いた。
先日、PCとネットの我が先生S氏と話していたら、先生はいささか信じがたいのではあるが、ついにエロサイトをご卒業あそばされ、今はネットオークションにハマっておられるとのたまわれた。つい先頃には、十数万円で金色だか銀色のすげーギターを見事落札したのだと、熱く語るではないか。欲しくて欲しくてたまらなかったギターなのだそうだ。うー、その気持ちなんとなくわかる。最近はネットもいささか飽きてきていたので、私もさっそく未来のネットビジネスへのワンステップとして(?)、ネットオークションなるものに参戦したわけ。
ところが、入札してもなかなか落とせない。終了間際に、どこかのだれかが結構いい値でかっさらっていく。なんせこっちは貧乏人の小心者だから、値がちょっと上がるともうついていけなくなる。
先日の夜中、わが家で、入札終了直前にチェック。私がうなりながら迷っていると、背後から息子の強烈な一発をくらってしまった。「相手より高い値段入れないかぎり、いつまでたってもカメラは手に入らないよ!」と、あっさり、グサリと言ってのけられてしまったのである。なぬー、ここは父親の面目を見せねば(実は熱くなってしまったのだが…)、ネットの向こうの見知らぬ人と値をガンガン競り上げてしまったのである。見事にというか案の定、私がちょっと相場より高値で落札。とはいえ1万円チョイの安カメラ。中古カメラ店で買うよりはるかに安いし、無事届いて手にしたときは正直言って嬉しかった。
ところが、ところがである、カシャカシャいじっていたら、とたんにミラーが上がりっぱなしになって動かなくなった。ハレー、オイオイ、勘弁してくれよな。オークション初落札の喜びもわずか10分ではかなく消え去るのかと、一瞬真っ青。まあ、たぶん電池だろうと抜いてみれば錆が出ていて接触不良らしい。きれいに拭いて入れ直せばまた快調にカシャカシャ。ああよかったと一安心。さっそく明日撮ることにしよう。
でも、ネットオークションって、落札者には嬉しさのなかにもちょっと余分な買い物したかなというかすかな後悔のようなものが残り、品物を手放す側の出品者も、支払いと発送を打ち合わせるメールのやりとりの中で、あまり嬉しそうではなかったのがやはり気になる。人から物を手に入れるということは、たとえ正統な方法でもどこかちょっぴり苦い。

(2002.4.24更新)

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