ヤグルマギク 【 矢車菊 】
逸出植物
ふつうはヤグルマソウと呼ばれ、庭で栽培されたり、花屋でも切り花として売っているが、本当の名前はヤグルマギクという。別にヤグルマソウという野草があるので、こう呼ぶことになっている。野草のヤグルマソウのほうは山の湿地に生えて高さ1mくらいになり、葉が大きな矢車のようになって、初夏に白い花を咲かせる。ユキノシタ科の植物で、分類も花のようすもまったく違う。国道20号線(甲州街道)を北へ進むと、52号線と分かれる船山橋の手前に、このヤグルマギクの花が一面に咲いている。思わず車を止めてしまったが、ここはわずかな路側帯しかないので、猛烈なスピードで走ってくるトラックに突っ込まれないように気をつけよう。このヤグルマギクもいわゆる逸出植物だが、鮮やかな青紫色の花には、逃亡者の面影はみじんもない。
(2004.5.27更新)
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