フタリシズカ 【 二人静 】


山梨県南巨摩郡 ・6月1日撮影

 

二人が静かに黙るとき

フタリシズカとはいい名だと思う。二人が静かになるときとは、いったいどんなときなのだろう。目と目をじっと見つめ合うときなのだろうか、それとも、もはや交わす言葉もなく静かに背を向けるときなのだろうか…。
フタリシズカは、低山地の林の中や縁などに生え、5月から6月ころに穂状の白い花を咲かせる。春のはやいころに咲く
ヒトリシズカと並び称される花だが、フタリシズカの草丈は50cmほどにもなり、ヒトリシズカよりだいぶ大きい。また、ヒトリシズカの花穂は1本だが、フタリシズカの花はふつう2本出るので、その名がついたという。でも、実際の野山で見かける花は、3本や4本はけっこうある。写真仲間はそれを見て、“三人かしまし”とか、“大勢にぎやか”などという。図鑑を見れば、フタリシズカの花穂は1〜6本と書かれている。どうやら、ヒトリシズカのように一定はしていないようだ。しかし、2本の白い花の穂がきれいに寄り添うように並んでいるのを見かけると、なんとなくほっとする。
名にあるシズカとは、もちろん義経の愛妾静御前にちなんだものだという。

(2002.5.22更新)

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