ニセアカシア(ハリエンジュ)【 針槐 】



山梨県南巨摩郡 ・5月19日撮影

 

緑の中、甘い香りを漂わせる

緑がますます目に鮮やかになるころ、山間の川沿いなどには、白い花をつけた大きなニセアカシアの樹が目立つ。房状の花が樹全体に垂れ下がり、あたりには甘い香りが漂う。花には虫たちが集まり、せっせと吸蜜している。初夏の陽射しを受け、そこには生の営みが充満している。
ニセアカシアは北米原産の落葉高木で、元々は街路樹や砂防樹として植えられたものが野生化し、いまでは山の川沿いなどにとてもよく生えている。葉の付け根に一対の棘があり、ハリエンジュとも呼ばれる。

地方によっては、この花をアカシアと呼んでいるが、本当のアカシアはオーストラリアやアフリカ原産のフサアカシアなどの仲間のこと。
西田佐知子のかつての大ヒット曲、♪アカシアの雨に打たれて〜♪ のアカシアとは、春に黄色の丸い花を房状に咲かせるフサアカシア、すなわち、ミモザのことだという。

ニセアカシアの若い花は、山菜として食べられる。さっと茹でて酢の物、天ぷらにもなる。甘い香りに初夏の味わいがある。でも、5月も末になると、かなり山の上や北国でないと、もうこわいだろう。

(2001.5.26更新)

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